ー神経難病の方を対象にしたポジショニングー
ー神経・筋疾患の呼吸ケアの必要性についてー
3月25日(土)は、西多賀病院にて二つの研修でした。
《午前》 【ポジショニング】
神経難病の方を対象にしたポジショニングの研修で、患者・ご家族・医療従事者など様々な方が参加されていました。
筋ジストロフィーやパーキンソン病、重症筋無力症、ALSなど様々な疾患がありますが、「姿勢」をテーマとすると、疾患は関係なくどなたでも関係してくる要素となってきます。
講師は理学療法士の方で、ポジショニングについて、実際の写真やデモンストレーションなどを交えながらわかりやすく解説されていました。
我々も、普段ポジショニングを様々な方に対してご提案させていただいていますが、大切なのは「なぜその姿勢を取っているのか」だと思います。必要があって姿勢を崩すことでバランスを保っているところを「曲がって(傾いて)いるから直せばいい」と考え対応してしまうと逆に本人にとっては苦しい・居心地の悪い姿勢になってしまうことがあります。
自分で調整が出来る方であれば問題ないのですが、それができない方にとって、その居心地の悪い姿勢を無理にとり続けることで拘縮や関節の変形、筋緊張亢進などを進めてしまう可能性があるため注意が必要です。
「姿勢」は24時間、毎日、無意識の内に関わっていることです。サポートするにはご家族をはじめとし他職種の継続的な連携が必要不可欠となることを再認識した研修でした。
《午後の部》 【神経・筋疾患の呼吸ケアの必要性について】
午前と同様に、患者・ご家族・医療従事者など様々な方が参加されていました。
講師は小児科の権威のある医師と、西多賀病院の理学療法士でした。
呼吸ケアの現状を法律的や制度の観点から、実例、呼吸筋力が低下すると起こることを検査装置やNPPV、ガイドラインとともにわかりやすく解説していただきました。
筋ジストロフィーは過去10年でケアも大きく進歩し、多くの患者の生命予後を改善しおり、予後の改善に伴い、教育や労働などに参入していけるような手立てを改善していく必要性が増加してきているようです。
最後に、理学療法士の方が患者にご協力をいただき、デモンストレーションを行いました。業者さんも参加され、NPPVの説明や体験を受けました。
患者にご協力を頂くデモンストレーションなど大変貴重な研修に参加させていただき、様々な面で勉強になりました。
在宅医療では、他職種とのシームレスな連携が非常に大切になります。そして、円滑に連携を取るためには専門的な視点と多面的な視点が必要不可欠になります。今後も様々な研修を通し、しっかり還元できるよう精進していきます。