こんにちは、ひばり広報の chihiro です。
新卒で訪問看護のステーションに入職する —— それは、看護の世界の中でもまだ少数派の選択です。「一人で訪問する自信がない」「まずは病院で何年か経験してから」と、多くの方が思いとどまる道でもあります。
今日紹介するのは、ひばり仙台ステーションに2026年4月に入職したばかりの小林さん。学生時代の実習でひばりに来たことが、一つのきっかけでした。入職して3週間、いまの率直な気持ちと、「それでも訪問看護を選んだ理由」などをインタビューさせていただきました。

入職して3週間、いまの率直なところ
入職してまだ3週間。「社会人も初めてで、コミュニケーションを取るのも、仕事に慣れるのも、いまは何とか日々取り組んでいる」(小林Ns)と話す小林さんは緊張した面持ちながらも、いまの気持ちを率直に話してくださいました。
少しずつ慣れてきたこと、まだ緊張することは何ですか、と伺うと、「iPadで利用者さんの情報を取ったり、記録を入れたりっていうところは、ちょっとずつ慣れてきたのかなと思います。でも、実際に初めて行くお宅では、まだどんな方なのかも分からない。そこはちょっと緊張します」(小林Ns)と、率直に教えてくださいました。
利用者さんも職員同士も、いまはまだ「初めまして」の関係が多い段階。少しずつ環境に慣れていくその真っ只中に、小林さんはいます。

看護師、そして訪問看護を選んだ理由
看護師を目指したきっかけを尋ねると、小林さんは少し照れたように、こう話してくださいました。
あんまりいいものじゃないんですけど、もともと目指していた職業があって、それが難しくなったときに、ほかにやりたいことを考えていなかったんです。安定もあるし、転職もできるので、看護師なら将来困ることもないかなって
立派なきっかけ話を期待してくださった方には申し訳ない、というニュアンスを残しながら、それでも勉強を重ねて国家試験を突破し、看護師になるまでの道のりは決して平坦ではなかったはずです。
学生時代の実習で、印象に残っていることをうかがうと、リハビリ病棟での出来事を話してくださいました。
実習って、なんとなく怖いじゃないですか。でも患者さんは優しくて。リハビリ病棟で実習させていただいたときに、簡易指導みたいなのをやらせてもらって、在宅で生活していくうえでの注意点を一緒に考えたんです。そうしたら『ありがとうね、楽しかった』って言ってもらえて。それだけで、楽しいなと思いました
その経験は、その後の進路選択にもつながっていきます。
もともと看護大学で保健師の免許を取ったので、学校の保健の先生(養護教諭)の道に行こうかなと思っていた時期もあったんです。学校の保健の先生も、一人で業務をやらなきゃいけない場面が多いので、何も技術がないまま行くより、少しでも看護師の経験があったほうがいいかなと思って。
ただ、病院ほどヒリヒリした空気よりは、在宅のほうが利用者さん一人ひとりとじっくり関われるかなと思ったんです。訪問看護も一人で利用者さんのところへ伺う場面はあるので、そこで知識や技術、判断する力を身につけられたらいいなと思って、訪問看護を選ばせていただきました
「一人で判断できる力を身につけたい」 —— その思いの裏側には、学校の保健の先生として一人で子どもたちに向き合う未来の自分の姿が、はっきりと描かれているようでした。看護師という選択そのものよりもさらに先の景色を見据えたうえで、訪問看護にチャレンジされていらっしゃるのだと感じます。
新卒で訪問看護へ。不安と、それでも踏み出した理由
新卒で訪問看護に進むことに、不安や迷いはなかったのでしょうか。
自分の不安というよりも、周りから反対されることが多かったです。新卒で受け入れてもらえると最初は思っていなかったので、『何もわからないし、何もできないのに、周りの職員さんの仕事を増やしてしまうかも』という申し訳なさはありました
それでも踏み出した理由は、シンプルであり、力強いものでした。
やってみたい気持ちのほうが強かったので、頑張りたいなと思って入りました

実習で出会った、ひばりの第一印象
ひばりとの最初の出会いは、学生時代の実習でした。
それまで病院での看護師さんの働き方しか見てこなかったので、『こういう働き方もあるんだな』と思いました。同行させていただいたひばりの職員さんがすごく優しくて、何か質問しても『言って終わり』じゃなくて、『こういうふうに考えるといいよ』って一緒に考えてくれて。そこで、『あ、看護師っていいな』と素直に思えたんです
入職を決める段階で、その実習経験はどんなふうに影響したのでしょうか。
同行させていただいた看護師さんが若い方で、病院経験もそんなに多くないまま訪問に来られた、という話を聞いたんです。それまで『訪問は経験を積んでからじゃないと行けない』というイメージがあったので、『あ、こういう道もあるんだな』と思って。働いていてもすごくいい職場だっていう話も聞いて、じゃあ挑戦してみようかなと思いました
「若くして訪問に飛び込んだ先輩」の存在が、小林さんの背中を静かに押していました。
病院での実習でいだいていた「看護師は厳しく、ピリッとしている」というイメージが、ひばりに来て大きく書き換わったといいます。「言って終わり」ではなく「一緒に考える」という職員同士の関わり方は、そのままご利用者への向き合い方にも自然に流れている —— その光景を、小林さんは実習の段階で受け取っていらっしゃったのだと思います。
入職前の不安と、入職後の実感
入職前に思い描いていたイメージと、入職後の実感には、いくつかのギャップがあったといいます。
入ったらすぐ一人で訪問になるのかな、と思っていたんです。でも実際は全然違う感じで、安心しました
ひばりを最終的に選んだ決め手についてうかがうと、仕事と暮らしのバランスについての言葉が返ってきました。
職場の雰囲気もそうなんですけど、自分のプライベートの時間もしっかり過ごしたいという思いが強かったので。残業もないし、定時で帰れるし、土日も休みで、両立しながら仕事できるところがいいなと思いました
入職後にうれしかったこと・安心したこととしては、先輩職員との関係を挙げてくださいました。
先輩職員の方が、仕事の不安はもちろんなんですけど、それ以外に困ったことや嫌だったことも『何でも話してね』と言ってくださって。気兼ねなく話せる雰囲気があるのが、すごくうれしいですし、安心して経験を積める理由かなと思います
一方で、難しさを感じる場面についてもまっすぐに話してくださいました。
病院の病棟と違って、一つの疾患に絞られるわけではないんですよね。若い方から高齢の方まで、いろんな疾患の方がいて、お薬も人それぞれ。聞きながら覚えていくしかないんですけど、覚えることはやっぱり膨大で。そこは難しいなと感じました
訪問看護のリアルな学び
いま、特に学んでいることを尋ねると、小林さんは少し考えてから、こんなふうに話してくださいました。
状態観察など、やることが決まっている部分はあるんですけど、利用者さんの体調はその都度変化していくので、症状に合わせてケアを提案していく、という関わり方があるんだなと、最近知って。『決まったことをやる』だけじゃなくて、『その場で考えて提案する』というやり方は、経験を積んでいく中で身につくものだと思うので、自分も少しずつ身につけていきたいです
教科書の中の「アセスメント」という言葉が、目の前の利用者さんの暮らしの中で立ち上がってくる。その感覚に、小林さんはいま、少しずつ触れ始めています。
半年後、1年後の自分
半年後、1年後にどうなっていたいかをうかがいました。
完全にとは言わなくても、一人で何かをできるようになりたいです。何もないまま一人で出てしまうわけにはいかないので、いまの時間はしっかり指導してもらいながら、半年後・1年後には、自分で自立してできることを少しずつ増やしていけたらと思っています
「焦らず、でも着実に」。その姿勢が、言葉の端々から伝わってきました。
ひばりで働いて感じる雰囲気
いま感じている、ひばりの雰囲気を一言で表すとどうですか、とお願いすると、迷いなく「アットホーム」と返ってきました。具体的にはどんなところでそれを感じているのでしょうか。
訪問は一人で出ることが多いので、毎日職員同士が顔を合わせる職場とはちょっと違うんですけど、毎日のミーティングの時間がありますし、わからないことはすぐ連絡できる。実際に会うとすごく優しい方ばかりで、それぞれの仕事をしながらも、お互いを気にかけている感じがあって、働きやすいなと思います
「一人で訪問する」と「すぐに相談できる」が両立している安心感。その感覚を、小林さんは新卒1年目の入り口ですでにつかみ始めていました。

同じように迷っている方へ
最後に、新卒で訪問看護を考えている方や、若くして訪問の世界に挑戦してみたいと思っている方へのメッセージをお願いしました。
働く場所選びは、すごく大事だなと思います。実際に行ってみないとわからない部分もありますけど、いまは訪問で利用者さんと関わることが楽しいなと思えているので、やりたいという気持ちがあれば、チャレンジするのもありだと思います。やっぱり、職場や環境はすごく大事だなと思っています
「やりたい気持ちがあれば、チャレンジするのもあり」 —— この一言は、ご自身が周囲の反対を押し切って踏み出した道のりを通った方の言葉だからこそ、まっすぐ届くのだと思います。
取材を終えて
入職してまだ約3週間ということもあり、日々緊張しながらも、一つひとつの業務に丁寧に向き合い、楽しさと充実感のなかで日々を過ごしていらっしゃる様子が印象的でした。初めての訪問先ではまだ緊張も強い一方で、少しずつ慣れてきていらっしゃる様子も感じられました。
ひばりに来る前、病院での実習で抱いていた看護師像は、どこか厳しくピリッとしたものだったといいます。けれど、ひばり入職後の関わりを通して、その印象が大きく変わったとのことでした。特に、職員同士が忙しい中でも自然に声をかけ合い、わからないことも一緒に考える雰囲気に触れ、安心感を持って働けている様子がうかがえました。
また、ひばりの強みである「人によりそう」「人生によりそう」というあたたかな関わりは、職員同士だけでなく、ご利用者への関わりにもそのあたたかさが自然に表れていると感じていらっしゃるとのことでした。そうした環境のなかで、「看護師っていいな」という実感にもつながっていらっしゃるようです。
さらに、ひばりでは「一人で訪問する責任ある現場」と「すぐに相談できるサポート体制」が両立しており、「一人だけど、一人じゃない」という安心感のなかで経験を積めることも、大きな特徴として感じていらっしゃいました。この環境のなかで、状態の変化に応じてケアをその都度考え、提案していく訪問看護の奥深さにも、少しずつ気づき始めていらっ
しゃいます。
職場についても、アットホームで相談しやすく、支え合いながら成長できる環境があり、新卒という立場でも安心して経験を積める点が、ひばりならではの強みとして感じられているようでした。
今後は経験を重ねながら、一人で安心して訪問できる力を少しずつ身につけていきたいという思いを持っていらっしゃいます。
これから1年、小林さんがどんな景色を見ていかれるのか、また折に触れて、お話を伺っていきたいと思います。
取材・執筆:ひばり広報推進室 chihiro
取材協力:ひばり仙台ステーション 小林さん
※掲載写真はすべて、ご本人の同意のもと撮影しています
