ひばり仙台のリハビリに同行して
こんにちは、ひばり広報の chihiro です。
先日、ひばり仙台のリハビリ主任・吉田さん(PT)に事前インタビューと訪問同行をさせていただきました。リハビリと聞いて、どんな空気を思い浮かべますか。歯を食いしばって耐える時間、規律正しく頑張る場——正直、私が抱いていたイメージはそういうものでした。けれど現場でその印象は、根本から書き換えられることになりました。

同行前の私が想像していた「リハビリ」
リハビリと聞くと、私は厳しさや張りつめた空気を思い浮かべていました。「あと一歩、もう少し頑張りましょう」と励まし、利用者さんが歯を食いしばって応える。
そんな構図です。だから訪問先に向かう車中、正直、少し緊張もしていました。
ですが、ご自宅にお邪魔して最初に流れていたのは、想像とはまったく違う、やわらかくあたたかい時間でした。
始まりは「野球の話」だった
訪問先で最初に聞こえてきたのは、リハビリの掛け声ではなく、野球の話でした。
「昨日の試合、見られましたか?」「あの場面、惜しかったですよね」
好きなことの話で笑顔が生まれ、その流れの中で、少しずつ体が動いていきます。
「すごいね」「もう少しだよ」。吉田主任のかける言葉も、励ますというより、一緒に喜びながら前に進んでいくような響きでした。

そこにあったのは、「訓練の時間」というより、その人らしく過ごしている日常の延長のような時間でした。無理に頑張らせるのではなく、安心できる関わりの中で、その人の力が少しずつ引き出されていく。リハビリへの私のイメージは、この時点でだいぶ揺らぎ始めていました。
「励ます」のではなく、「一緒に喜ぶ」
途中で、利用者さんが少しだけ動きがスムーズになった瞬間がありました。吉田主任は派手にほめるでも、過剰にリアクションするでもなく、まるで自分のことのように静かに笑っていました。
「できないこと」を引き出して指摘するのではなく、「できたこと」をその人と一緒に味わう。短い時間の中に、その姿勢が何度も繰り返されていました。

ご家族とのあいだに流れていた信頼
もう一つ、印象的だったのが、ご家族との関わり方です。
ご家族も自然にその場にいて、会話の中に加わっていました。特別なやり取りや、緊張した空気はありません。何気ないひと言、世間話、ちょっとした相談。その空気の中には、「任せられる」という安心感と、「一緒に見てもらえている」という信頼が静かに流れていました。
医療や介護の現場では、「ご家族の不安にどう寄り添うか」がよく議題になります。けれど吉田主任とご家族のやり取りには、構えた「対応」ではなく、もう日常の一部になっている関係がありました。
「生活を見る」が、言葉ではなく実践として現場にあった
事前インタビューで、吉田主任はこんなことを話してくださっていました。
「生活の中で関わること」
「本人の思いを大切にすること」
「チームで支えること」
正直、最初にこの言葉を聞いたときは、どこかで「それはどの事業所でも掲げる理念だろう」とも思いました。けれど現場で見たのは、これらがことさら語られるのではなく、自然に実践されている姿でした。
部屋の広さ、段差の位置、家具の置き方、よく使う動線。生活の中にある小さな違いを目で確かめながら、その人にとって無理のない形を一緒に考えていく。
「歩行距離を◯m伸ばす」という目標が独立してあるのではなく、「買い物に行きたい」「ベランダの花に水をやりたい」という暮らしの願いの延長として、体の動きが整理されていく
そんな順番でリハビリが組み立てられていました。

リハビリは、暮らしそのものをつくっていく
今回の同行を通して感じたのは、リハビリとは単に身体機能を回復させるものではなく、その人の中にある力をそっと引き出し、その人らしい時間や暮らしを一緒につくっていくものだということでした。
「リハビリの時間」と「生活の時間」が分かれていない。むしろ生活の中にリハビリが溶け込み、リハビリの中に生活が流れている。その境目をなくしていくことこそが、訪問リハの本質なのかもしれません。
「人生によりそう」
ひばりが大切にしているこの言葉が、現場では特別な合言葉として掲げられることなく、空気として静かに流れていました。
これからも、現場で見えたこと、感じたことを、一つひとつ丁寧に言葉にして届けていきたいと思います。

取材・執筆:ひばり広報推進室 chiriro
取材協力:ひばり仙台ステーション リハビリ主任・吉田さん/ご利用者様・ご家族様
※掲載写真はすべて、ご利用者様・ご家族様の同意のもと撮影しています
