福祉用具入門-Part1-

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今回は「福祉用具」がテーマです。

 

昨今、「リハ」「デイ」「ヘルパー」などの認知度が非常に向上しています。

「福祉用具」も上記ほどではないかもしれませんが、認知度が向上してきているワードの一つといえるでしょう。

日々の訪問でもご利用者やそのご家族から「何かいい福祉用具はないか?」「どんなものがあるのか?」「どんな制度なの?」「そもそも福祉用具って何?」など様々な質問を受けることが多くあります。

福祉用具も使用した日常生活上の環境設定は、身体の動かし方や特性を熟知したリハビリテーション職種の得意分野でもあります。

そんな「福祉用具」を「Part1 環境設定の大切さ」「Part2 制度」「Part3 種類-使用方法」「Part4 導入時の考え方」のシリーズにして分かりやすく解説していきたいと思います!

 

 

「Part1 環境設定の大切さ」

「体力をつける」「筋力をつける」などの身体機能向上は非常に大切ですが、それをさらに活かすのが「環境」と考えています。

いくら平行棒内で安全に歩くことができるようになっても、自宅に手すりがなかったり、ましてや「玄関までに階段がある」なんてことがあると話はかなり変わってきますよね。

身体機能×環境=日常生活での実際の能力 といっても過言ではないでしょう。

筆者は病院勤務時代に、患者の状態に合わせ、入院初期に自宅の間取りや写真を頂いたり、退院を控えた時期にご自宅を訪問させていただき手すりの位置などの住宅改修や福祉用具の選定などを行ってきました。


<早期からの住居環境の確認はなぜ必要なのでしょうか?>

病気の発症や怪我をして入院をしている方も、いずれは在宅へ戻られる方が大半です。

当然ですが、住居は人それぞれ全く環境が異なります。たとえ同じ間取りであっても、身体の状態だけでなく、家具の位置や普段過ごす部屋などが異なるだけでもガラッと設定方法が変わるのです。

入院早期からの住宅環境の把握は、退院先の選定にも関わる非常に重要な情報となります。リハビリテーションの方向性や内容を決定する際も、退院後の生活を見据えたプログラムが必須となります。

<退院を控えた時期の自宅訪問>

入院時に頂いた情報を元に退院に向け準備を進めていきますが、実際に自宅を訪問させていただくことでより細かな調整を行うことができます。「手すり」といっても種類はたくさんあり、場所・高さ・形状が異なるだけでも使い勝手はガラッと変わります。残り僅かな入院生活のリハビリテーションも集大成となります。


在宅医療では、そのような専門家の環境設定の機会を設けることは難しく、必要としている方・または本来必要であるがそれに気づかず悩んでいる方は非常に多くいらっしゃいます。

その時の状態に合わせて福祉用具の借り換えを行ったり、時には改修が必要な時もあります。希望や予算によっても方向性が変わってきます。今後のコラムで、少しでも参考になる情報をお伝えできるよう頑張ります!