終末期のケア

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終末期のケアの研修を行いました。

「終末期」とは、『いつからがはじまりなのか』という議論は行われているものの、様々な理由で明確な定義がなかなか難しい現状があります。世界的に見ても、日本はイギリスなどと比べて高齢者の終末期ケアへの関心は低いとされており、国民性や社会状況も関係があるのではないかと思います。

 

ひばり訪問看護でも、今まで非常に安定されていたご利用者が予測できないような急変をし、お看取りのケアをさせていただくといった事例もあります。

 

現在日本では、『死』を遠ざけられやすい傾向がある反面、『死』にフォーカスを当てた様々なサービスも増えてきている状況があります。

終末期のケアは、ご本人の意思と満足感を得ることだけでなく、ご家族へのケアも非常に重要となります。

医療やケアの説明だけでなく、話し合いや環境設定、何気ない声かけ・行動などきめ細やかな対応が非常に大切で、医療従事者には高いコミュニケーション能力が求められていると考えます。

研修を通して、表情・呼吸・身体状況の変化のポイントも皆でシェアすることができました。

 

QOL( Quality Of Life )という言葉を聞かれた方は比較的多いと思いますが、QOD( Quality Of Death )はまだ耳慣れないかと思います。

QODは1980年代ごろから欧米で使われはじめ、21世紀に入り研究が飛躍的に増加しています。死の質を考えることは、生の質を考えることとも言えます。

これから出生数と死亡数のアンバランスはさらに加速し、2026年には5人に一人が75歳以上になると推計されています。社会保障費も膨大となり、医療の状況もめまぐるしく変化しています。終末期のありかたは今後もさらに議論が進められ誰もが通る道です。医療従事等は関係なく、誰もがオープンな関係で「死の質・生の質」を議論をするような場もより必要になってきているのかもしれません。